第21回さがの映像祭 イベントレポート

第21回さがの映像祭は、2026年2月10日(火)・11日(水・祝)の2日間にわたり、ヒューリックホール京都にて開催されました。本年は2日間開催となり、延べ233名(10日:53名/11日:180名)が来場しました。応募作品は9作品(一般6・学生1・情報提供施設2)となり、多様な視点からの作品が集まりました。

会場であるヒューリックホール京都は「日本映画発祥の地」と言われ、駒札が建てられています。

プログラムの流れ

初日:2月10日(火)

全応募作品の上映を行い、来場者による観客投票を実施しました。
2025年度応募作品一覧

2日目:2月11日(水・祝)

特別上映、ワークショップ報告会、そして表彰式を実施しました。上映・評価・対話が一体となった構成となり、映像を通した共有の場が生まれました。

受賞結果

本年度の受賞作品は以下の通りです。

賞 名作品名制作者
大賞『テレビ』ねこたろう
優秀賞『服聾』梅田雅人
奨励賞『優の冒険』井上由紀夫
学生部門優秀賞『火の鳥』鈴木いちご
観客賞『優の冒険』井上由紀夫
※深川勝三・睦賞は該当なし

大賞作品『テレビ』は、字幕のない時代の体験や、きこえない人の生活の変化を描いた作品で、審査員から高い評価を受けました。また、2025年9月に実施した映像制作ワークショップの参加者による作品が優秀賞を受賞し、ワークショップの成果が本映像祭にもつながる結果となりました。

大賞『テレビ』ねこたろう
優秀賞『服聾』梅田雅人
奨励賞『優の冒険』井上由紀夫

特別上映・トーク

2日目には、香港映画『私たちの話し方』を3月末の全国ロードショーに先駆け特別上映しました。

© 2024 One Cool Film Production Limited, Lee Hysan Foundation. All Rights Reserved.

本作は、異なる環境で育ち、それぞれ異なるコミュニケーション手段を持つ3人のろう青年の姿を描いた作品です。手話・音声・文字といった多様な言語のあり方や、社会との関わりの中で揺れ動くアイデンティティが丁寧に描かれています。

『わたしたちの話し方』公式サイト
https://mimosafilms.com/thewaywetalk/

上映後には、出演者であるマルコ・ン氏によるトークが行われました。マルコ氏は、香港における手話を取り巻く環境や、自身が手話と音声の両方を使ってきた経験について語りました。そして、作品制作を通して「私は私のままでいい」と思えるようになったと語りました。

ワークショップ報告会

2025年9月に、さがの映像祭のプレイベントとして愛知大学豊橋キャンパスで実施した映像制作ワークショップの報告会を行いました。
参加者による作品発表と講評が行われ、制作過程の共有を通じて、それぞれの学びの成果が可視化される機会となりました。

深川勝三監督資料の継承

寄贈式の様子(2026年2月10日/手話総合資料室)
映像祭会場での深川勝三監督の紹介の様子(2月11日)

ろう映画の草分けである深川勝三監督の作品資料が、睦ろう映画保存会の協力により、全国手話研修センター手話総合資料室へ寄贈されました。2026年2月10日には同資料室にて寄贈式が行われ、保存会会長の高正次氏が登壇し、資料収集に至る経緯や、その保存に込めた思いについて語りました。

また、全国手話研修センター理事長の石野富志三郎氏は、深川監督の足跡が次世代へと受け継がれていく重要性に触れ、今後は展示や上映などを通じて広く活用していく方針を示しました。
翌11日には、本映像祭の会場において、寄贈資料の一部が紹介されました。来場者は、ろう映画の歴史に触れる機会となり、その意義を改めて感じる場となりました。
収集された資料は今後、展示等を通じて公開され、ろう映画文化の継承につながることが期待されます。

本年度の映像祭は、作品上映だけでなく、評価・学び・対話を含む総合的なプログラムとして実施されました。映像を通じて、ろう文化や表現の多様性に触れる機会となり、今後の発展に向けた重要な一歩となりました。